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DV・モラルハラスメントと親権

DV・モラルハラスメント事案では、加害者が被害者に対して、「お前は親権が取れない」と脅すことが少なくありません。

しかし、親権決定にあたっては、

①監護の継続性

①’監護開始の適法性

②監護能力・監護実績

③面会交流の許容

④兄弟不分離の原則

⑤子ども本人の意思から総合的に判断されます。

その中でも、①監護の継続性が極めて重視されます

これらを踏まえて、DV・モラルハラスメント事案における親権争いの典型類型を検討します。

DV・モラルハラスメント被害者が監護を継続しており監護実績も十分である場合

子供を日ごろから監護養育していたDV・モラルハラスメント被害が、子供を伴って別居をしたというケースです。女性がDV・モラルハラスメント被害者である場合が多いです。

このような場合は、①監護の継続性①’監護開始の適法性②監護能力・監護実績をDV・モラルハラスメント被害者側が備えているので、被害者が親権者として認められる可能性が高いでしょう。

DV・モラルハラスメント加害者が監護を継続しており監護実績も十分である場合

DV・モラルハラスメントの加害者側が子供を日ごろから監護養育しており、被害者は子供を置いて一人家を出たというケースです。男性がDV・モラルハラスメント被害者である場合が多いです。

このような場合は、たとえ相手方がDV・モラルハラスメント加害者であっても、親権決定の重要なポイントは加害者側が備えているので、加害者が親権者として認められる可能性が高いでしょう。

違法な手段でDV・モラルハラスメント加害者の監護が開始された場合

加害者がDV・モラルハラスメントを用いて被害者を自宅から追い出したり、面会交流中に子供を奪取したりするケースです。

このような場合は、子の引渡し審判や審判前の保全処分を申し立てて、速やかに子供の引渡しを求める必要があります。

もっとも、DV・モラルハラスメント加害者が、裁判の場で、「被害者が勝手に家から出て行った」「合意のもとに子供を引き取った」などと主張すると、被害者が自宅から追い出されたり、面会交流中に奪取されたりしたことを立証しなければなりません。DV・モラルハラスメントの被害そのものを録音することは難しくとも、被害を受けた直後にメールやSNSのメッセージといった形の残る方法で、何らかの抗議をしていないと厳しいでしょう。